院長室から


平成27年4月に経鼻内視鏡検査数もついに約2万例に達しました。その間、経鼻内視鏡検査も飛躍的に進歩し、より細径の内視鏡機器が開発され画質も向上しました。
このたび、内視鏡システムの光源にレーザーを用いた新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」を当院に導入いたしました。この内視鏡システムは波長の異なる「白色光観察用レーザー」と「狭帯域光観察用レーザー」の2種類のレーザーを搭載しています。「狭帯域光観察用レーザー」は粘膜表層の微細血管やわずかな粘膜の凹凸などのコントラストを強調して画像をシャープに映し出すことができ、早期がんに特徴的な粘膜表層の微細血管などの変化を観察できます。また内視鏡のスコープ自体も飛躍的に改良されました。
新機種の経鼻内視鏡スコープ先端は従来のものよりやや細くなっており、一段と挿入しやすくなりました。
新機種の大腸内視鏡スコープは光学ズーム機能により倍率135倍まで病変を拡大して観察可能で、より詳細な診断が可能になりました。
内視鏡用炭酸ガス送気装置も新たに導入いたしました。大腸内視鏡検査時に従来の空気ではなく炭酸ガスを送気することにより、検査後の腹部の膨満感を著明に軽減することができます。これらの新機種を駆使して、また新たな気持ちで日々の診療、治療に専念したいと思います。
先日、信州の美味しい冷酒を3合ほど飲んで眠りについたところ、夜中の2時くらいから油汗を伴うひどい背中の痛みが出現し、次第にみぞおちの痛みも強くなり寝れないほどになりました。胃炎なのかと思い、家にあった潰瘍の薬を服用しましたがまったく効果なく朝を迎えました。胃腸の専門医の私としては、ある診断が頭をよぎりました。そう、急性膵炎です。これは過度の飲酒や暴飲暴食したときなどに起きる膵臓の炎症で、肉を溶かすような膵液(消化液)が自分の膵臓や周囲の臓器を溶かす病気で、重症膵炎の場合は死亡例もある怖い病気です。みぞおちと背中の痛みが続く場合、医師であれば必ず疑わなければならない疾患です。なんとかクリニックにたどり着きすぐに血液検査をしたところ白血球が12.000と上昇!ヤバッ!! しかし超音波検査でみると膵臓はまったく腫れていません。痛みを必死で我慢しながら午前中60人程度の外来を死に物狂いでこなし、至急の血液検査結果を待ちました。その結果は急性膵炎で上昇するアミラーゼという消化酵素の値もまったく正常、肝臓の数値も正常、尿酸の値もまったく正常でした。そうなると、この激痛の原因は?? しばし考えてみると思い当たることがありました。昨日、刺身を食べたことです。イカやサンマやサバなどの刺身にはときとしてアニサキスという、2cmくらいの白く細長い寄生虫がいることがあります。この寄生虫が胃の壁に侵入して激痛の原因になることがあります。私も勤務医時代に内視鏡でこの寄生虫をつまんで激痛の患者さんの治療をしたことがあります。痛みもひどいため、近くの総合病院を受診することも考えましたが、午後は大腸内視鏡検査があり、その後は午後の外来診療があるためにとても病院を受診することはできません。自分で胃の内視鏡をやることを決意いたしました。といっても経鼻内視鏡検査はいつも自分でやっているので、いつものように立った状態で鼻から内視鏡を入れて胃の観察を始めました。そうすると予想どおり胃の真ん中あたりに2cmほどのアニサキスちゃんが胃に食い込んでいました。ふだんであれば自分の胃の観察をしておしまいなのですが、今回はアニサキスちゃんを退治しなければなりません。アニサキスちゃんが動いている!と私の激痛をよそに、しきりに感動している看護師さんに指示して、胃の細胞をつまむ生検鉗子を持ってこさせ、内視鏡の鉗子口から挿入しアニサキスちゃんに近づきそっと鉗子ではさみ胃から引き抜き、退治に成功いたしました。その後はうそのように痛みもなくなり午後の検査、外来をこなすことができました。当然、その夜は傷口をアルコール(ビール+日本酒)消毒いたしました。自分で胃内視鏡を入れるドクターは多分、全国にはいるかもしれませんが、自分でアニサキスを退治したドクターはおそらくいないと思います(なんの自慢にもなりませんが)。現在アニサキスちゃんはホルマリン容器に入れられて私の診察机の上にいます。時々眺めていると、かわいく思えてくるから不思議です。
平成22年2月26日に経鼻内視鏡もついに8000例を突破いたしました。毎日7人程度の経鼻内視鏡を施行していますが、それでも6ヶ月待ちとなっており患者さんには申し訳なく思っています。平成22年2月の日曜当番医のときに1年半ぶりに自分で経鼻内視鏡検査を施行いたしました。自分で挿入するのはこれで3度目のため余裕で咽頭から十二指腸まで観察することができました。先日、NHKのとある番組でピロリ菌と胃がんについて放送されたためか、最近は一段と胃内視鏡を希望される方が多い印象です。私の年齢であれば5,6割の確立でピロリ菌が胃に居ると思いますが、幸い私の胃にはピロリ菌は居ません。ど田舎で育ち、井戸の水を飲み、川で泳ぎ、うなぎを釣るために餌の畑の大ミミズをつかんだ手でおにぎりを食べて過ごした幼少期なのになぜ、ピロリ菌に感染していないのか医師としても不思議に思います。この30年間、一度も風邪をひいたこともなく、多くのノロウイルスの患者さんを診察してもなぜか感染することがなくスタッフも不思議に思っているようですが、その理由は不潔極まりない幼少期の生活にあるのかも知れません。現在は毎日風呂に入って手洗いもしっかりやっているのでご安心ください(笑)
全国高校駅伝で佐久長聖高校駅伝部が、念願の初優勝を遂げました。大学生の次男がかって佐久長聖高校駅伝部員であったこともあり、クリニックには多くの駅伝部の生徒が貧血の治療などで来院します。日頃から自己鍛錬と厳しいトレーニングで苦しんでいる姿を見ているだけに、当日は力走する選手の姿に感激し、まぶたが腫れるほど泣いてしまいました。こんな純粋な?涙を流したのは久々です。監督の厳しい指導のもと、日頃から常に感謝の気持ちを持ち続けてひたすら頑張っている選手の姿は多くの人々に感動を与えたと思います。本当おめでとう、そしてありがとう。
平成20年4月に経鼻内視鏡検査数もついに4000例を突破いたしました。経鼻内視鏡の進歩は本当に日進月歩です。最新機種は画質も明るさも格段に向上していることから、当クリニックでも4月から最新機種の経鼻内視鏡を2台導入いたしました。この内視鏡はFICEという新画像処理機能を搭載しているため、いままでの経鼻内視鏡に比べてより早期の癌を発見できると思います。ちなみに4001例人の経鼻内視鏡検査を受けた患者さん37人(0.93%)に胃癌が発見されました。37人中、26人(72%)は早期胃癌でした。早期胃癌26人中20人(77%)は開腹手術を受けずに内視鏡で胃癌を切除しています。また26人中15人は癌の大きさがわずか1cm以下という小さな胃癌でした。胃癌の治療の主体はもはや開腹手術ではなく、内視鏡手術の時代であることを実感させるデータだと思います。
クリニックの患者さんも50歳くらいになると、だんだん親が年をとって、病気がちやお亡くなりになる方が多いですね。やっと子育てがおわり一段落かと思うころに次は親の面倒が待っている、人生はうまく!?できているものです。7月に苦労をかけたおふくろが脳幹梗塞と巨大脳動脈瘤で倒れ、大分市内の病院で手術を受けました。幸い大きな後遺症もなく退院できましたが、今年の夏休みは実家の片付けや、介護用具の手配等でとても体をやすめるどころではありませんでした。実家の押入れやたんすの要らなくなった物をかたづけていると昭和57年、すなわち私が医学部の学生のころのおふくろの給与明細がでてきました。時給375円、月27日間、朝から夕方まで重い牛乳ビンの入ったケースの積み下ろしの仕事をやって得た7万余りの明細でしたそのすべてを長男の私と次男に仕送りしていました。思わず、目頭が熱くなりポケットにしまいこんで、現在、私の財布の中に大切に折りたたんでお守りとしています。つらいときはこれを見て元気を出そうと思います。
現在、月170人くらいのペースで、経鼻内視鏡検査を施行していますが、約1%強の確率で、癌(食道癌、胃癌、十二指腸癌など)が発見されています。すなわち100人に1人強くらいの確率で癌が発見されることになります。毎年内視鏡検査を受けている方は、癌になっても大部分がお腹を切らずに内視鏡手術で完治するのに比べて、何年も検査を受けてない方はやはり進行癌で発見されるかたの方が多いのが現状です。ぜひ1,2年に一度の内視鏡検査を受けるように患者さんに説明しています。佐久総合病院胃腸科には私の無二の親友でもある小山恒男という部長先生がいらっしゃいます。この先生は日本が世界に誇る胃や食道癌の内視鏡手術を開発、発展させた、いわば[内視鏡手術の神様]みたいな先生で、現在は国内のみならず、世界中から講演や手術依頼が殺到し、地球上を飛び回っています。小さな胃癌や食道癌、大腸癌が発見された場合は、当然、この小山先生に紹介し手術をしていただいています。このようなスーパードクターが身近にいることは、患者さんにとってもある意味本当に幸せなことだと思います。
先日、私も大腸内視鏡検査を久々に受けてきました。検査前日はきのこや海藻類は食べてはいけませんと
当クリニックでも患者さんに指導していますが、そのことをすっかり忘れてしまい、行きつけの料理屋でビールを飲みながら、こともあろうに「信州きのこ汁」を注文してしまいました。食べ終わった後、明日が大腸検査であることを思い出したが後の祭り。朝4時から2時間かけて2リットルの下剤を飲んで、きれいになったことで安心して午前中の超多忙な外来をこなし(開業医は大変なのです!)、月一度の午後の休診日に、知り合いのドクターに大腸内視鏡をやってもらいました。大腸は非常にきれいなのですが、そのなかにくり茸やしめじがすまなそうにならんでました!やはり、きのこ類は本当に消化が悪いことを実感した院長でした(笑)。
12月8日に長野市で第1回の経鼻内視鏡研究会が開催されます。当クリニックが長野県ではこの検査法を初めて導入し、トップの経験数をもっているため、私が講演することになり、このところ久々の学会準備に追われています。現在、メーカーからデモ機で借りている最新型の装置は今まで以上に視野が明るく、画質も向上しています。この経鼻内視鏡検査は胃カメラの苦手な患者さんにとっては本当に感動するくらい楽な検査ですので、全国でこの研究会が立ち上がっています。当クリニックでの経鼻内視鏡検査も日に日に、希望者が増加しあっという間に3000例に達しました。学会のためにアンケート調査をやっているのですが、いままで口から内視鏡検査をやっていた200人の方に経鼻内視鏡検査を施行し、「今後どちらの検査を希望しますか?」の問いに、196人の方が経鼻内視鏡検査と回答し、4人の方は口でも楽に飲めるので「どちらでもよい」と回答し、口からの内視鏡検査と答えたかたは0でした。このように患者さんにとって極めて楽な検査は急速に普及すると思いますし、普及させなければいけないとも思います。講演の方も、力をいれて頑張ります(笑)
マスコミで経鼻内視鏡検査が話題になっていることもあり、経鼻内視鏡ができる施設を探して、当クリニックに
来られる方が増えています。当クリニックでの経鼻内視鏡検査もおかげで1000例を超えることができました。
一段と楽に挿入できる鼻の麻酔のコツやポイントがはっきりしてきました。やはり喉への苦いスプレーも不要ですし、肩への注射もやってないので本当に患者さんは、以前の内視鏡検査との違いに驚くようです。
それでも最初は鼻から内視鏡が入るなんて!と緊張した顔で検査を受けますが、挿入後はまるで診察室での会話のようにコミュニケーションをとりながら検査が進みます。ほとんどの方は私のくだらないジョークに笑いながら検査を受けています。なかには口が自由に使えるものですから、最初から最後までうるさいくらいしゃべりぱなしで次回の検査は口からやってやろうかなと思う方もいらっしゃいます。(笑)内視鏡の通る鼻の穴の奥は、中鼻道と下鼻道の2つのルートがあります。どちらへ挿入可能かは個人差があります。また鼻は左右の穴があるため右は挿入不可でも左は楽に挿入が可能というようなこともあり、やはり鼻への麻酔は検査を施行するドクターが自分でやるのがポイントです。女性は小さなかわいい鼻の方が多く、入るか心配される方も多いですが、モデルのような繊細な鼻の穴の持ち主でも鼻の中はスカスカ状態で楽々挿入できることがほとんどです。逆に普通の内視鏡も入りそうなくらい大きな鼻の穴の持ち主でも鼻の中は狭くて挿入が困難な方もごくまれにいらっしゃいます。いやー、やはり人間見かけじゃないですねー(笑)
先日、自分で鼻からの内視鏡をやってみました。自分でやる場合はモニターの前に立って、左手で操作部
を持って右手で内視鏡の先端を持って挿入します。やはり舌にまったく接触しないために本当に楽に検査が
できました。。そんなわけで現在、毎日7人程度の内視鏡をやっていますが、基本的に患者さんが拒否しない
限りは鼻からの挿入をルーティンとしています。そのうち、自分で大腸内視鏡検査もやってみようかなとも思ったりしますが、スタッフはやめてくださいといってます(笑)
このところ、鼻からの内視鏡を希望する方が急増しています。少し前、テレビでも紹介されていた影響
でしょうか。やはり舌の奥の敏感な部分をまったくタッチせずに内視鏡ができるために極めて楽に検査
ができます。鼻からの内視鏡をされた方に、次回は鼻と口のどちらかにするかを尋ねると、全員の方が
絶対鼻からとおっしゃいます。私もそろそろ内視鏡をやらなければいけないので、自分で鼻から挿入して
みようと思っています。エーと!?思う方もいるかもしれませんが、世の中には自分一人で、大腸内視鏡
をわずか3,4分でできてしまう名医(迷医?)もいるのですよ。これほんとの話。
このたび世界最細の内視鏡を導入いたしました。先端直径5.9mmという細さです。
ちょうど “うどん” くらいの細さをイメージしていただければ結構です。従来に比べて極めて柔らかく
細いため検査中の、のどの違和感がほとんどありません。またこの内視鏡の特徴は鼻からも挿入
できる点です。口からの挿入だとどうしても舌の奥(舌根部)に内視鏡が接触するため、のどの麻酔を
してもいわゆる“オエーッ”という反射が起きてしまう方が100人に1,2人いらっしゃいます。このような方
は鼻から挿入すると反射も起こらず検査中も普通に会話ができるのでお勧めです。鼻からの挿入に
抵抗感を持つ方もいらっしゃいますが、鼻をほじる小指とうどんの太さを比べれば楽に挿入できるのも
うなずけるはずです。
最近はこの周辺にも開業が相次いでます。それぞれのドクターが自分の得意とする専門分野をもっている
ので当クリニックのみでは対応できない場合は以前なら近くの大きな病院に紹介することが多かったのです
が、最近では開業の先生に紹介する機会も増えています。患者さんにとっても待ち時間などの面でもメリットも多いと思います。今後はこういった診療所同士の連携(診診連携といいます)も急速に発展するのだと思います。もちろん従来の病院と診療所の連携(病診連携といいます)はとても大事だと思います。幸いこの地域には佐久総合病院や浅間総合病院を中心とする高度医療を行える病院がありますので、患者さんのみならず我々診療所のドクターにとっても心強い存在です。周辺町村との合併を控えた佐久市ですが、医療・福祉の面でもこれまで以上に全国の手本となるようなシステムづくりにしたいですね。
大腸内視鏡検査を希望される方が増えています。便潜血検査は大腸癌発見に対して有用な検査ですが、進行癌の1割、早期がんの3割-5割近くは便潜血陰性(すなわち異常なし)となってしまいます。
症状は進行癌になるまででにくいので、40歳を過ぎたら一度大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。発見が早いほどお腹を切らずに内視鏡下に切除できる確率が高くなります。また開腹手術が必要な場合でも早期がんの場合はほとんどが、腹腔鏡下手術といってごくわずかのきずで手術が可能で痛みも少なくて済みます。巷で噂されているような大腸検査は死ぬほど痛い!?なんてことはありません。検査中もモニターテレビ下に自分の大腸を見ることができます。決して気持ち悪く見えることはありません。多くの方が大腸て美しいのですねーと感激します。ただし、これは下剤をかけているために美しく見えるのです。念のため(笑)
毎日、7人前後の内視鏡(胃カメラ)の検査を行っていますが、今までずっと目をつぶって
検査を受けていたという人が多く、驚いています。食道や胃の中は決して気持ち悪いものでは
ありません。まるで水族館のように神秘的で美しいものです。自分は目を開けて検査なんてできないと思っている方はそんなことは決してありません。実際、開院して以来、全員の方がテレビを見ながら検査を受けています。目を開けて医師説明を聞きながら自分の胃の中をテレビで観察したほうがはるかに楽で、時間も短く感じます。また、検査が終わった後、診察室で画面を見ながらの説明も一段と理解が深まります。
そして何よりも検査料金の元を取った感じがします。(笑)



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